まいほびー

体験談を語ったり、身近にあるものを紹介したりします。

大人もぞっとする 原典『日本昔ばなし』の感想

収録している昔話と感想を書いていきます。

収録している昔話

  • 手なし娘
  • 人魚と八百比丘尼
  • 食わず女房
  • 蛇の婿入り
  • かぐや姫
  • 赤い髪の娘
  • 姥捨て山
  • 天道さんの金の鎖
  • 糠福米福
  • 六部殺し
  • 俵薬師

感想

昔話とその解説が本に書かれているので、2つに分けて感想を書いていきます。
ネタバレを少し含むので気を付けてください。

 

昔話パート

思ったより怖かったです。
タイトル通りぞっとするような話で、グロテスクな怖さがありました。

例えば「手なし娘」という物語では、主人公が両手を切り落とされ、「天道さんの金の鎖」では山姥が赤子を喰ってしまいます

状況描写がしっかりしているので、登場人物の表情や心境がわかりやすく、まるでそこにいるような臨場感が味わえて、より一層恐怖が伝わってきました。

解説パート

個人的には昔話より解説のほうがおもしろかったです。
解説パートでは心理学の観点から昔話に隠されている人間の本性を推察したり、当時の時代を生きる様々な人間の立ち位置を考察しています。

心理学での解説の例でいうと「天道さんの金の鎖」では母と山姥が登場するのですが、解説では母性の話が出てきて、子の世話をする母は母性の肯定的な面、子を喰う山姥は否定的な面を強調していると推察しています。

こういった両義性を持った母性は心理学用語で「グレートマザー」といい、「ヘンゼルとグレーテル」に登場する母と魔法使いのおばあさんが良い例です。

他にも「かぐや姫」では、かぐや姫狂死した理由を姫の立ち位置や心理状況から解説しています。

あまり詳しく書いてしまうと、この本を読んだ時の面白みが半減してしまうのでここまでにします。